OpenMediaVault5で RAID Z, RAID Z2 を実現【Part 2】

HP ProLiant MicroServer Gen8 (以降 HP Gen8)の整備をする。なお、私は管理用【HP Gen8コントロール用】PC に Windows PC を使っているので 説明はWindows PC に限る。Mac、Linux でも管理可能だと思うが、詳しく調べた訳ではない。2台購入した内、Xeon の機種を例として説明する。

説明資料、ドライバソフト、コントロールソフト

HP Gen8 本体の整備、OpenMediaVault5 インストール、その他に備えて 以下の説明資料、ドライバソフト、コントロールソフト をダウンロードする。

  1. HP ProLiant MicroServer Gen8 ユーザーガイド
  2. Integrated Lights-Out 4 言語パック – 日本語
  3. HP Lights-Out Stand Alone Remote Console for Windows
  4. HPE iLO 4 ユーザーガイド (684918-593_ja)

1.HP ProLiant MicroServer Gen8 ユーザーガイド を検索すると、見つかる。まずはこれをダウンロードする。さて、次の 2.Integrated Lights-Out 4 言語パック は 左上のここ  メニューの切り替え→ダウンロード→ドライバーとソフトウェアの検索をクリック

検索画面にしてから Integrated Lights-Out 4 言語パック を検索します。検索画面の上位2つが日本語 言語パックなので、私は2つともダウンロードして置いた。

それぞれ詳細→ダウンロードページとクリックすると ドライバおよびソフトウェアページ

下のほうにダウンロードがある。

3.HP Lights-Out Stand Alone Remote Console for Windows も同様にダウンロードできる。iLO 4を制御できるいくつかのバージョンをダウンして置く。同様に 4.HPE iLO 4 ユーザーガイドもダウンロード とは行かない様だ。なぜか HPEでの検索 で探しても見つからないので、Google 検索でみつけた。勝手な想像だが、HP Gen8 の販売主体が HP から HPE (Hewlett Packard Enterprise) に変わった際に、うまくデータが移管されていない物があるのではないかと思う。まあ、手に入らない訳では無いので、問題なし。

ハードウェアの整備

HP Gen8 は 2013年頃に発売された機種です。当初から使い続けている人は別として、新たに使うにはまず、メンテナンスした方が良い。メンテナンスと言っても、各部の点検、故障部品、消耗部品の交換、各部の清掃、放熱用グリス塗りなおし くらい。この先 ずっと使い続ける為にも一度 分解、清掃、組み立てをして、全体の物理的構造を把握しておくのは有益だと思う。まずは、HP ProLiant MicroServer Gen8 ユーザーガイド をざっと眺めておく。

それでは、放熱用グリスの点検、再添付、電池の交換等の為、マザーボードにアクセスできるまで、分解しよう。ユーザーガイド 操作19(19頁)システムボードアセンブリを取り外す を参考にする。後ろの手回しねじ2本を緩めてシャーシカバーを後ろにスライドしてから上に持ち上げて外す。次にシステムボードに接続されているケーブルをすべて抜き取るのだが、丁寧に扱わないとケーブルを破損してしまう。ここが胆ですので、詳しく書いて置く。まず、後で元に戻せる様にアセンブル状態を写真に撮って置く。余談だが、説明の写真は多くが清掃後の写真です。分解中の写真を見直してみるとホコリだらけで、美しさに欠ける代物だったので…。

使った道具は左から 付属のL字レンチ、ダイソーで購入した ピンセット型毛抜き、鷲口ピンセット、小型ライト、薬局で購入した エタノール少量、綿棒、写真にはないが、放熱グリス、ティッシュ。前面の扉などは簡単にはずれる。前面、黒の内側パネルは星形ねじ2本を外したあと、手で爪をはずす。特に力はいらないので、爪を折らない様に丁寧にあつかう。写真に私が気を付けた事を記入しておく。

はずしてから分かったが内側パネルは内部のコネクタを外すのに特に関係はないので、(見通しを良くする効果はあるが・・・)爪折れの心配な人は、パネルは外さず掃除機で清掃するだけでも良いかもしれない。

既にシャーシカバー、全面内側パネルは外してある。

正面から見て左サイドにはコネクタは4つ、①24ピンシステムボード電源コネクタ は写真 赤丸 部分を手で押さえて、フックを外しながらオスとメスの間を小さいマイナスドライバー等で少しずつこじるとうまく外れる。私はこじるのに毛抜きを使った。➁オプティカルドライブSATAコネクタ は赤丸部分を鷲口ピンセットで押さえながら引き抜くと簡単に抜ける。➂Mini-SASコネクター も同様に赤丸を押さえながら簡単に抜ける。(写真は矢印になってるww)

3個コネクタを抜くと、④周囲温度センサーコネクタが見えてくるので、鷲口ピンセットを使ってこれをはずす。

右サイドにはコネクタが2つ、前側の⑤フロントI/Oケーブル コネクタ の構造がわからず、外すのに手こずった。

構造が分かる様に先にはずした写真を載せる。外す時はコネクタ両脇上部を内側につまみながら上に引っ張って抜くとよい。その際、コネクタの間を少しこじって、間をあけると抜けやすい。メモリーを外して作業すると指を入れるのもやりやすい。

後ろ側の⑥ファンケーブル両はじをつまみながら簡単に外せるだろう。ここまで外せば、マザーボードは後面下方のシステムボードトレイラッチを押しながら引き抜けば、簡単にはずれる。ついでに後面のファンも星形ネジ4本で外せるので、清掃しておく。

ホコリだらけのファンも

エタノール+綿棒 で簡単に綺麗になる。
さて、マザーボードを外したら、電池CR2032を交換する。
放熱板は、星形ネジ4個で取り付けられているので、付属のL型レンチで外す。エタノールで拭いて、CPUを確認する。
たしか、この機種はXEONだから、Intel Xeon E3-1220Lv2(2.3 GHz) のはず。ありゃ、XEONでも1220V2だ。どうやら、CPUは換装されてるみたい。CPU能力は上がるが、消費電力は増える。いずれにしても換装してあるのを確認できたのは良し。必要ならば、再換装すれば良い。分解の方法も分かったし…。さて、グリスを確認したら、それほどカピカピではない。エタノールで古いグリスを綺麗に拭き取って再添付しなおす。後は手順、構造が分かっているので組み立てるのは超簡単。逆の手順で組み立てて、ハードウェアの整備を終わる。

iLO4 Webインターフェースの整備

HP Gen8 は PC なので、当然 通常のPCのインターフェースが有る。ディスプレイはVGA、USBでキーボード、マウスを 駆動できるのだが、実は私はVGAのディスプレイを持っていない。ひと昔前はディスプレイには必ず VGA入力がついていたが、今回 HP Gen8 を動作させるにあたってディスプレイを調べたらVGA入力がない。DP , HDMI …等しかない。所が、たまたま見ていた YouTube で海外ユーザーが別のPC からネット経由でリモートコントロールしているのを見つけた。しらべて見ると、HP Gen8 はリモートで色々制御できる。システムボードに組み込まれている iLO プロセッサがサーバーを管理、制御してくれる。
iLOintegrated Lights-Outとは、米HPE(Hewlett Packard Enterprise)社のサーバ製品の一部に搭載されている、遠隔からの監視や操作を受け付けるための特殊な半導体チップ。また、そのチップと同社の専用ソフトウェアなどを組み合わせて提供される遠隔管理機能。
まず、iLO4 のWeb インターフェースを整備する。(要するにWebブラウザ経由の制御を整備する) HPE iLO 4 ユーザーガイド  を眺めてなんとなく機能を理解しておこう。まず、HP Gen8とネットワークをつなぐ必要がある。HPE iLO 4 ユーザーガイド 21頁を参考に私の場合を以下に示す。一寸、形が違うがPCは HP Gen8 と考えてほしい。
HPE iLO 4 ユーザーガイド  によると iLOに初めてログインする方法 は 付属のシリアルラベルタブに記載されているサーバーのシリアル番号を DNS名=ILO+シリアル番号 として云々…. 。
なんのこっちゃ?。実に分かりにくい説明だが、要するに Web ブラウザの HTTP サイト名を ILO+シリアル番号 にすれば、ブラウザが Password 入力画面を表示する という事らしい。で、やってみると、これがうまく行かないのである。後でなんとかアクセスできる様になり、Homeの情報から推定するに、どうもDNS機能がうまく動いていない様な気がする。とにかく、説明が分かりずらい上に、うまく動作しないでは、途方にくれてしまう。そこで、多少強引だが、各機器のIPを調べて WebブラウザにIPを直接入力する。IPは 管理クライアントのネットワークPCの表示・管理ソフトで、個々のアドレスを容易に調べられる。Webブラウザは Google Chrome を使う。
ネットワークPCの表示・管理ソフトは Advanced IP Scanner を使ってみた。IP 検索に特化しているが使い易い。
以前は NetEnum を使っていたのだが、少しトラブル(バグ?)があった。(メモ参照)
Advanced IP Scanner【Ver2.5.3850】 NetEnum【Ver4.945 2016年製】 NetEnum5【Ver2021.10.28.0】で同じシステムをスキャンした結果を載せる。簡単にコメントして置く。興味のある人は各自で再検査すると面白いかも..。
では、順を追って説明する。
最初は iLOのみハブに繋ぎ、メインNIC は外して置く。タグは以下の様であったとすると
HP Gen8 の電源を入れ、Webブラウザに https://ILOSGH123ABCD と入れて見るが、応答がない。そこで 各機器のIPを調べる。
上から順に、BUFFALO BBルーター、PLANEX WiFi LAN、東芝ディジタルTV、ブラザー複合機、HPE サーバー ← これ、DellのPC0からPC2、HPのPC3 となっている。 WiFi LANからHPE サーバーまでは BBルーターのDHCPにより動的にアドレスが決められている。PC0-PC3 は 手動で静的アドレスを設定した。以上を踏まえて、 Webブラウザに http://192.168.12.5 と入力すると
ログイン表示できた。ILO4 のFirmware は Ver2.40 だ。Username:Administrator Password:12345678 を入力 最初の頁を表示できた。
ここで、日本語化をする。Administration → Access Settings → Language Fileを選択 (lang_ja_270.lpk ← 言語パックを解凍したファイル) → install で 暫く待つと、
ログオフして 暫く待つ旨の指示があり、
言語が選べる様になるので、日本語を選んで、再度ログインする。ログインして日本語化を確認したら、ついでに色々機能を確認する。
直接IPアドレス指定でログインするので電源投入の順でアドレスが変わる動的アドレスより、アドレス固定の静的アドレスが好ましい。ネットワーク項目で、静的アドレスを設定する。 192.168.12.20 に設定した。静的アドレスを設定した後は iLO4 リセットの必要があるので、本体の電源を一旦、落として電源再投入。以降、http://192.168.12.20 で、Webインターフェースにログインする。ついでにAdvanced IP Scanner で確認しておく。さて、Web インターフェースのリモートコンソールの機能を使うとコンソールが直接モニターできるのだが、Chromeは.NETアプリケーションを起動するためのエクステンションが必要です らしい、このエクステンションがなんだか分からず【どなたか、このエクステンションが分かったら教えて下さい。】、仕方がないので、Java統合リモートコンソール(Java IRC) を試してみたら、確かにコンソールをモニターできるが、使う際に色々警告がでたり、なんだか心地が悪いので、当面はWeb インターフェースは ILO4のIPアドレスを変えたり、色々な本体の状態のモニターに使う事にして、コンソールの表示は  HP Lights-Out Stand Alone Remote Console for Windowsを使う事にする。ブラウザから直接コンソール表示ができる機能は有益なので、将来的には整備しなおすかもしれない。

HP Lights-Out Stand Alone Remote Console for Windows

HP Lights-Out Stand Alone Remote Console for Windows は RECOMMENDED付の Ver1.2.3.0 を使う。

単にアイコンが好みだったので、これにしたが、他のバージョンでも問題ないと思う。

IPアドレス: 192.168.12.20  Username: Administrator Password: 12345678 を入れて Connect

あっけなく、コンソールをリアルタイム表示できた。左下はコンソールの解像度の様だ。画面が変わると色々数字が変わる。多分実際のVGA出力の解像度は変わっているのだろうが、このリモートコンソールの画面の大きさは変わらない。見ていても安定している。非常に使い易い。また、リセットやPower ON/OFF の操作も、BIOS 書き換えもできる。なんだか、あっけなく使えてしまったが、以上で ”HP ProLiant Micro Server Gen8 整備” を終わる。

次は OpenMediaVault5をインストールして、RAID Z, RAID Z2 を実現する。

Part 3  へ続く

タイトルとURLをコピーしました